
二日目の復路に象徴されるように若干の緩さはあったものの、終わってみれば上々の結果を得られたと言っていいだろう。特に二日間に渡り天候に恵まれたのは僥倖で、中でも初日の秋晴れの空に紅い林檎の実が映える光景、また妙高山と黒姫山を一望する眺めは素晴らしいの一言だった。二日目の、波高い日本海をずっと見ながら進む普通列車の車窓も忘れられない。
そして乗車した列車は新幹線を除けば一本の例外もなくすべて国鉄型車両で、「北越」に至っては国鉄特急色がやって来た。
信越本線に関しては、新線、新駅への移行によって事実上の廃止となる脇野田駅を"最後の平日"に滑り込みで訪問できたのが大きかった。二日目に上り列車に乗車した際は交換のために脇野田に6分停車するという幸運に恵まれたのだが、カメラを持ってホームに下りたのは十人にも満たなかった。昨日など大混雑だったであろうことは想像に難くなく、これら諸々の点を振り返っても活動の昼の部に関しては完勝だったと言える。
一方で夜の部即ち居酒屋に関しては奮わなかった。さしもの富山湾の幸も今は端境期なのでは、という懸念は残念ながら的中してしまった。いしもちやふくらぎなど確かに美味なのだがどうしてもしっかり育った冬の鰤に比べると格落ちの感が否めないし、春のホタルイカや夏の岩牡蠣といったように名実ともに存在感のあるネタもなく、日のおすすめの品書きを旅の秋刀魚が飾る始末。酒に関して言えば一年で一番美味い季節だというのに、難しいものである。
二日目の長野でも蕎麦に力を入れている店に入ったものの新蕎麦にはやはりまだ早かったようで、結局蕎麦のものは何一つ頼まず。三番と四番を欠いた打線のようでなんとも貧相であった。
結論を言うと、信越線の区間はひと段落として、北陸に関しては冬にもう一度訪ねたい。日本海を間近に見ながら国鉄型電車のボックス席で往く風情も、最後に残された「特急銀座」の光景も他に代えるものが無い。列車が遅れるという不安要素はあるものの、旅人の道楽としては風雪が荒れ狂う冬こそが日本海の車窓の真骨頂である。また運よく雪晴れに恵まれたなら立山連峰の絶景に出会うことが出来る。
夜の部に関しても寒鰤を筆頭に冬は美味いものが並ぶのは間違いないし、こう考えると新幹線の開業まであと半年、最後の冬の北陸路に足を運ばない手はない。

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最終の一本前の新幹線で帰ります。過去の経験からこの時間帯の上り列車はガラ空きだろうと踏んでいたのだがまるで違って、自由席はなかなかの混雑だった。金曜日だからなのだろうか。しかしC席に着席でき、B席は空席で、乗車時間もたかだか一時間ちょっとなのでこれで十分である。
結局今回は三本の優等列車は全て自由席でちゃんと着席でき、また新幹線以外の列車は徹頭徹尾国鉄型車両だった。乗ることに関しては完勝だったと言っていいだろう。
552E「あさま552号」長野2106~大宮2218

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