
先日、埼玉県和光市にある実家にかなり久し振りに泊まる機会があった。その時に訪ねたのがこの「大船」だ。
いわゆる居酒屋の名店、また本ブログの居酒屋探訪でも紹介している店は基本的にすべてが都市部の繁華街にある。それに対して今回、このような何の特徴も無い町の住宅地の中、つまり決して地元の人間しか訪れないような店を初めて紹介することになる。
白地に黒文字の看板、居酒屋とだけ抜かれた質素な暖簾など、飾りの無い外見がまず非常に好印象。やはり大衆酒場はこうでなくては。
そして期待を遥かに超える美味さに驚かされた。豚肉系の料理が店の顔のようだ。鮮度が大事のガツ刺しがまずとても美味かった。そして煮込みは秀逸!モツはふわふわに柔らかく味もしっかりとしていて、かつ余分な脂分はきちんと抜けている。余程丁寧に煮込まないとこの味は出ない。まさに誠実な仕事の結晶である。久々にモツ煮で感動させてもらった次第だ。やきとんのレバーも何本でも食べたくなるような素晴らしい美味。
またこの店は生ホッピーが置いてあるのもいい。やや中が濃い目で、ホッピーの美味さというのを純粋に考えるとバランスを欠いているとも言えなくないが、ケチケチした店、水のように薄い酒を出すチェーン居酒屋などより遥かに好印象だ。
そこに住んでいるか勤めている人間以外は絶対に足を運ばないようなつまらない町の住宅地。そこにこんな良店が埋もれているのだから居酒屋道は本当に奥が深い。早くまた訪問して他の色々な肴も試してみたい。今後は実家に足を運ぶ頻度が増えそうである(笑)
大船
048-461-1558
埼玉県和光市新倉1-11-21
[月・火~土]17:00~23:00、[日・祝]17:00~21:00
水曜休

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書店の街として有名な神田神保町だが、もう一つの顔がある。それは、カレー店が非常に多いことだそうだ。言われてみればカレー店が多い気がする。そして、洋食屋も多い。
確かに神保町は銀座や新橋と並んで個人経営の小さなカレー店や洋食屋がよく似合う。安かろう不味かろうのチェーン店に侵食されて日本中何処へ行っても同じ景色、同じ味ばかりになり、国全体が画一化するという病魔に侵されている我が国にあって、こういうところに都心の贅沢というものを感じる。
そんな神保町の典型のような店を見付けた。靖国通り沿いに店を構える「ボーイズカレー」だ。
見付けた、というのは正しくなく、正確には前から気になっていたが漸く入る機会を得た、というところだ。この他にも神保町界隈には気になる店が沢山あるが、何せ昼時に来る機会というのはごく限られる。
店内は真っ白だ。白い壁に、ペンキで大雑把に白く塗られた木のカウンター。なんだか沖縄の店のような雰囲気だが、実質本位で余計な事はしない、余計な物は置かないというのがいかにも東京の都心の店らしい。
さてこの店、カレー店を謳っているが実際にカレーを食べている人が半分も居なかったのに驚いた。初訪問の私はチキンカツカレーの大盛りを注文したのだが、左隣りの六十年配の先輩二人連れは二人ともハンバーグライスを食べている。初老の男二人が肩を並べてハンバーグと平皿に盛られた白飯を食べているというのが実にいい。やはり新橋あたりの洋食屋と雰囲気はそっくりだ。そして後から入って来た右隣りのやや歳のいったカップルは男が生姜焼き定食、女がスパゲッティナポリタンを注文。そんな物まであるのか、とよくよくメニューを見てみると、スパゲティはナポリタンの他にミートソースがあり、全部で二種(カレーソースがけがあるので厳密には三種だが)。これを見て嬉しくなってきた。最近は本場ナントカ風だのと言ってまるで駄菓子屋のようにやたら沢山の種類を並べたパスタ専門店などが流行っているが、この店の品書きはまさに古き良き「洋食屋」のそれである。
店の一番のおすすめは生姜焼きのようで、生姜焼きだけは写真を入れた品書きが壁に貼られている。そしてこの店の大きな特徴はハンバーグだろうが生姜焼きだろうが、すべての品に200円足せばカレーソースが付けられる点だ。実際そうやって注文している人が多かった。生姜焼きならカレーをご飯にかけるのだろうが、ハンバーグの場合ご飯にかける派とハンバーグにかけてしまう派に分かれるのではないか。そんな事を想像するのも実に楽しい。
実際のところ純粋にカレーを食しているのはこの時私だけだった。このボーイズはまさにカレー屋と洋食屋の雰囲気を同時に味わえるなんとも愛すべき店である。むしろ洋食が主だからか、米はカレー屋にしては柔らかめでもっちりと炊かれている。しかしルウも粘り気のあるルウなのでこの米に絡んでよく合う。こういうカレーはルウがご飯の上にかけられたままの状態で食べるよりも、スプーンを立てて皿をカタカタと叩くようにしてご飯とルウをぐちゃぐちゃに混ぜて食べるのが美味い。
チキンカツはまあそこそこの味だった。次は生姜焼き若しくはハンバーグとエビフライの定食(共に770円)だな。いやまてよ、こういう洋食屋のナポリタン(620円)の味も実に気になるところだ。しかし他の店にも行ってみたいし…
楽しきかな神保町。次も待ってろよ(^^;

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おまけに釣られる奴www
しかしまあ、ビールというのはどのみちずっと買い続ける物だから、同じ値段でおまけが付いているのなら素直に買えばいいのである。
私は生活する上で絶対に必要な物以外は買うことを嫌い、身の回りに物が増えるのが許せない性質なのだが、唯一の例外が酒器である。ちょっと良さそうな酒器を見つけるとすぐに買ってしまう。先日も岡山へ行った際もうちょっとで備前焼の盃を買いそうになったのだが、余り高いのでなんとか踏みとどまった。
このタンブラーは実際にビールを飲むのに実用できるところがいい。この手の酒器のおまけというのは結構頻繁に目にするが、殆どは使えないものばかりだ。夏にあったエビスビールのおまけの竹のタンブラーなど、風合いは良いのだろうがビールを飲むのには容量が小さ過ぎる。まったく意味が無い。酒器それ自体が自己目的化してビールを美味く飲めないとは言語道断である。
唯一惜しいのは、モルツを注いでみたところ上手く注げなかったこと。何故かと思ってよく見てみたらエビススタウトは350mmlではなく320mmlだった。専用にしろということか(^^;

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水の都松江でもひときわ印象的な大橋川のほとり、橋のたもとに建つ。繁華街からは僅かに外れたところに静かに佇んでいる。店内はカウンターに小さな卓が二つの小上がりだけで、小さな店だ。
カウンターの中央に腰を下ろすと目の前におでん舟。厨房も狭いので舟はすぐ目の前で、夏場には暑そうな席だが小声でも店主に話が通るこの距離感が実によい。見上げる壁には大きくて見易い品書きの短冊が等間隔に貼られている。余計な気取りがなく質実な印象だ。
生ビールがエビスなのが嬉しい。一概に断じるのは危険かも知れないが、樽生にエビスを出す店はまず間違いがない。エビスビールの樽生を供するのは色々と面倒で、手間が掛かる。酒呑みの聖地ともいえる高知は廿代町でも私の大好きな店「グンカン」ではエビスともう一つのビール、二種類の樽生を出している。値段を同じにしているものだから勿論エビスに飛びつくわけだが、ならばエビスだけ出していればいいのではないか。理由は未だに聞いていないが、少なくとも誠意のある店でなければこんな事はしない。

有名な宍道湖七珍というのがある。恥ずかしながらこの時まで七つの魚が何なのか知らなかったのだが、それでいい。現地へ行って居酒屋で詳しいことを知る方が嬉しいではないか。
その七つは鱸、モロゲ、鰻、アマサギ、白魚、鯉、蜆のこと。残念ながら十月が旬のものはモロゲだけだそうで、鰻は夏、他の物は殆どが冬だそうで、蜆は通年食べられるが旬は冬から初春なのだそうだ。実際この日このやまいちにあったのもモロゲと蜆だけ。最近は旬でない物でもいつでも品書きに並べている店があるが(それも得意気に)、そんなふざけた店の暖簾だけは絶対にくぐりたくないものだ。
その代わり、モロゲと一緒に出されたのが赤貝。とはいっても握りでお馴染みのいわゆる赤貝ではなく、サルボウ貝を出雲ではこう呼ぶのだそうだ。甘辛く煮付けるのだが、これがまた美味い。ご主人は謙遜したが、すぐに良い酒を使っているのが分かった。高級な料亭ではない、あくまで庶民的な価格の居酒屋だ。それでいて見えないところに良い酒を使う。これまた誠実な店でなければ出来ない仕事だ。
この日は二軒目も欲張ってしまっておでんも蜆の汁も食べずに出てしまった。次回訪れた時はもう少しじっくりやってみたいものだ。小さな店のカウンターで誠実な仕事と温かいあしらいに触れて静かに飲みたい時にこの店は最高である。次はもちろん真冬の一番寒い時に来たいものだ。
ただし、曜日や時間によっては満席もしばしばあるようなので注意が必要なようだ。
やまいち
0852-23-0223
島根県松江市東本町4-1
16:30~21:30
不定休だが基本的に日曜営業らしい

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