日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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先日、甲子園での野球観戦を目的に大阪まで行った際の話である。古くからの観戦仲間と六人で連れ立って串揚げ屋で飲むことになった。場所は、野田駅の近く。余所者の私が大阪で居酒屋を訪ねるとなれば、一人だったらどうしても千日前や梅田、阿倍野といった大きな繁華街になってしまう。仲間のうちの一人が地元の人間だったからこうなったのだが、連れて行かれなければ野田へ行く機会などなかっただろう。
駅の近くにはそれなりに居酒屋が集まっていたが、それもすぐに途切れてしまう。そんな駅前の賑わいが尽きる辺り、古いマンションビルの一階にその店はあった。何の変哲もない場末の飲み屋の佇まいで、場所からしても地元の人間以外が来ることはまず無いだろう。そしてこの時は久々に顔を合わせる仲間達と楽しくやることが主題だったので、店の写真も撮っていないし、それどころか屋号も覚えていない。

十人ほどが座れるカウンターにテーブルが一つだけの小さな店だった。テーブルには先客が居たので、六人横並びでカウンターに着いた。だが少なくとも私にとってはこれが奏功した。何故なら、居酒屋好きの関心を大いに刺激されたからだ。まず気付いたのは、品書きが無いということ。ここでは次々と揚げられる串揚げを出されるままに食べていくだけなのだ。そしてそのどれもが絶品だった。衣を付けて油で揚げる。この方法で調理出来ない食材は一つも存在しないと言わんばかりに、肉も、魚介も、野菜も全てが美味い。
だが驚くべきはそれだけではなかった。カウンターに着くと、六人それぞれの前にまず四角い皿が置かれた。皿は四つに区切られていて、右からソース、胡麻ダレ、塩、辛子醤油が入っていた。そしてここで注目すべきは何といってもカウンターの上に据え付けられた金属製の台である。これも一人一人の前に予め置かれている。一体何であるのか、言葉で形容するのも難しいのだが、大きさはちょっと細長いスマートフォンが横向きに置かれているのを連想してもらうといいかも知れない。ステンレス製で、親指の太さ程の高さがあり、小さな穴が幾つも空いている。目の前で串を揚げているご主人の手が伸びてきて、この台の上にひょいひょいと揚がった串が乗せられていくのだ。
そういうことか。寿司屋のカウンターに座って、下駄の上に握られた寿司が次々と置かれていくのと同じである。穴が空いているのは油を切るためだ。それにしてもこの台、串揚げを一、二本置くにしては横方向に長過ぎる。その不思議な形に見入っていると、この台も四つに区切られていると教えられた。ここで漸く理解が出来た。手元の皿の形と呼応していたのだ。つまり、ご主人がこのステンレス台の一番右の区画に串を置いたならそのネタはソースで食べ、右から二番目なら胡麻ダレで食べなさいよということだったのだ。

居酒屋好きの関心を刺激された、カウンターに通されて逆に奏功したと言った意味がお分かりいただけただろうか。ネタの種類の多さをひけらかすかのように派手な品書きを掲げ、共用のソースを卓上に放置して二度づけ禁止などと騒いでいる店がいかに軽薄なものかを悟った。東京では見られない串揚げの流儀や文化、本当の美味さを初めて知った気がする。
写真も撮らなかったし屋号も覚えていないと言ったが、場所だけははっきりと覚えている。次に大阪を訪ねる機会があったら是非またここへ行ってみたいものだ。





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千日前の繁華街のただ中にある。周辺にはそれこそ無数の飲食店があり、深夜まで開いている店も少なくない。日本橋駅からは徒歩3分の近さだ。かように立地は素晴らしいのだが、いかんせん設備の老朽化が著しい。元々の造りも安く、一言で言ってしまえばボロホテルだ。それだけでなく、空調のスイッチが部屋の入り口の所にしかないので不便だし、WiFi設置とは名ばかりで実際には使い物にならなかった。
泊まったのは三連休の中日で、大阪のホテルは何処も満室の大混雑だった。そんな中手頃な料金で部屋をおさえられたのも納得がいく。手頃とはいってもそこは大阪価格で、あくまで周囲との比較という意味である。今後このホテルを積極的に選ぶ理由は何一つ見当たらなかった。すぐ近くにあって同じ価格帯の「ホテル ル・ボテジュールナンバ」がきれいに改装されたとあっては尚のことである。

ナンバプラザホテル
大阪府大阪市中央区難波千日前1-20
日本橋駅より徒歩3分
コンビニ一階に併設
大浴場:なし
朝食:未食





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最近、前照灯がやたらと明るい自転車を多く見るようになった。白色LEDが安価に普及してきたのが理由だと推察するが、これが実に眩しい。私は乱視が強く夜間は光源が滲んで見えるというのもあるかも知れないが、しかし正面からやって来る自転車の光が直接目に入ると、一瞬視界が利かなくなり思わず立ち止まって目を逸らしてしまうほどだ。
だが、よく考えると前照灯の光が直接目に入るなどという事が起こるのがそもそも間違っている。歩行者や他の車両も多い市街地を走るからには光軸を水平からやや下向きに調節するのは当たり前、当然やらなくてはならないことだ。つまり、眩しいのは前照灯が明るいのが原因ではなくて、その角度がきちんと合っていないのが原因なのだ。

そもそも、前照灯がより明るくなるのは良い事である。従来の自転車の前照灯の暗さを考えれば、このくらい明るい方が乗っている本人も周囲の人も車も安全だ。だが技術が進歩してもそれを活かせるかどうかは使う人間次第。このように光軸を調整しないままに乗り回せば話は逆転し、現にこうして歩行者の安全を奪っているのだ。自転車を購入して最初に乗る前に一度調整すればいいだけの話なのに、これをやらないままに走っている自転車をよく見るということは、いかに何も考えないで乗っている人が多いかを表している。こういう人って、きっと一事が万事「何も考えないで生きている」のだろう。
これまでの暗い前照灯では気付かれなかったことがこうして曝け出されてしまうのだから、傍ら痛く、皮肉な話である。





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内外ともに古式ゆかしい正統的な居酒屋の佇まいだが、この店において特筆すべきは何といってもその立地だろう。秋葉原駅からほど近く、多くの人が今現在の秋葉原の光景として思い浮かべるであろうまさにその只中にある。
この写真の右端に「メイド」が写り込んでいるのが分かるだろうか。しかも、ただメイドが立っているだけではない。癖がやたらと強いどうにも好きになれない口調で「萌え萌えきゅーん」という声が響き渡っているのだ。それも拡声器を介した大音量で。さらには、少々分かりづらいかも知れないが、メイドの右側に写り込んでいる男性は小太りでチェック柄のシャツを着て小さなリュックをからっており、その容姿は典型的な「オタク」だった。

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そんな中に、黒塀の上に扁額を仰ぐこの重厚な一軒家が佇んでいるのだから、これは世界中でもここでしか見られない不思議な光景だろう。そもそも和風建築の戸建てが周囲を見渡してもここしかない。
暖簾をくぐると真正面にほぼ正方形に近いコの字カウンターが待ち構える。厨房は客席とは隔離されて奥にあり、コの字に囲われた島には生ビールのサーバーと冷蔵庫、そして燗付け器が置かれる。この雰囲気がまず素晴らしい。カウンター、卓、衝立、柱に至るまで木でできていて、それぞれは上等な物というわけではないのだが、使い込まれた艶に趣きがある。
燗酒は枡と漏斗を使って正一合が白磁の徳利に注がれ、蛇の目の猪口と共に供される。肴の一番人気は鶏もつの煮込み。もつ煮を謳ってはいるがむしろ身と皮の部分が多く入っている。この皮が絶品だ。歯応え、味わい、香りどれも良いが、独特のコクを鍋全体に与えている。
えんえんと繰り返して再生される「萌え萌えきゅーん」が微かに店内にも届き、初めのうちはそれを耳障りにも思っていたが、この店はそんなものにまるで構わないとばかりの超然とした気配に満ちている。そこに身を置いているとやがて自分自身もまったく気にならなくなってくる。

かように素晴らしい店なのだが、唯一残念だったのは生ビールが美味くなかったことだ。僅かながら嫌な匂いがした。これは多くの場合考えられる理由として、ジョッキの洗い方が良くないか、回転が極端に悪いか、サーバーの清掃が不十分なことがある。客の年齢層からしても、生ビールが余り出ないのだろう。実際のところ瓶ビールを注文する客の方が多く、黒ラベル、一番搾り、スーパードライの三種もが置かれている。瓶ビールの方が主力なのは明らかで、またこれらを好む向きの多くは銘柄がどうというよりは「キリン」「アサヒ」「サッポロ」から自由に選べるということに贅沢を感じるようだ。
話が少々逸れてしまったが、そんな欠点を補って余りあるものがここにはある。とにかく佇まい、雰囲気が素晴らしく、この店の存在それ自体が絶大な価値である。そもそもここで飲むべきは生ビールよりも燗酒なのだ。周辺には若くて威勢の良い店、安い立ち飲み屋なども無数にある。私のような生ビール愛好家はそういったところで二、三杯やってからここへ来るのがいいのかも知れない。



赤津加
03-3251-2585
東京都千代田区外神田1-10-2
11:30~13:30、17:00~22:30
日祝、土曜隔週休





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豆腐が大好物で、一年を通して毎日のように食べている。居酒屋に入れば豆腐だけは土地を問わずに注文するし、おでんの具で一番好きなものは何かという難問に対して私は厚揚げと即答する。家での晩酌のアテの先発はほぼ例外なく豆腐である。
先週あたり、日毎に気温が下がっていった。そろそろ湯豆腐が美味かろうと思った矢先に口内炎が出来てしまい、熱いものが食べられなくなってしまった。やっと口内炎が治ったかと思いきや、今度は夏が戻って来たかのような暑さが二日続いた。暑いから湯豆腐が美味くないなどということはなく、むしろ真夏の湯豆腐も大歓迎なのだが、それでも湯豆腐は冬場にしか食べない。何故なら、刻み葱、削り節、おろし生姜を用意するだけで簡単に食べられる冷奴に対して、湯豆腐は手間も時間もかかるからだ。その手間と時間を掛けてでもどうしても温かいものが食べたいと思う寒い時季にしか食べないのだ。
(冷奴とは言っても私は常温で食べるのが好きで、予め冷蔵庫から出しておいて常温にして食べるから厳密には冷奴とは呼べないのだが、それはまあそれとして…)

再び秋らしい涼しさになったので、出汁昆布を買ってきて漸く今季の湯豆腐生活が始まった。熱い湯豆腐と冷たいビールの取り合わせはやはり最高である。
温かい酒との取り合わせも最高なのだが、それはまあそれとして…





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