日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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教祖の著作の中に「橋のたもとの居酒屋は一つの理想」という記述がある。この表現を借りて言うなら、車の入れない路地の奥にあって屋号と並べて湯豆腐の文字が掲げられたこの店の佇まいは、私の一つの理想である。
中は十人分ほどのカウンターとささやかな小上がりが一つあるだけの、ごく小さな店だ。お通しを豆腐、おから、てっぱいの三つの中から選んでくれと言う。迷わず豆腐を選んだが、おからもてっぱいも美味そうだ。そのお通しの豆腐が抜群に美味い。青豆の淡い緑色が微かに残り、きめが細かく、密度が高いのか重い。味の良さについては言うまでもないだろう。豆腐は隣の豆腐屋で作られてて、ここの主人は180年前から続くその豆腐屋の七代目なのだそうだ。

むろん美味いのは豆腐だけではない。野菜を煮たものは野菜本来の泥臭さをわざとごく僅かに残した上で何とも上品で一ひねりある味付けを施すという、まさに京料理の仕事。目の前で直前に削いだ柚子を乗せてくれるのがたまらない。水槽の中を勢い良く泳ぐはえはその日鴨川で捕ってきたものだそうだ。そのはえの唐揚げを頼むと、エラを上手いこと使って体を立て、泳いでいる姿そのままに並べられて出てきた。遊び心の中にも実に品がある。
カウンターの向こう、奥には厨房を守る女将と、手前に手伝いをする妙齢のお姉さん。このお姉さんのゆっくりとしてたおやかな喋り方、物腰が実にいい。何とも月並みだが、こういうのを「はんなりしている」というのだろう。少なくとも旅の酒にもっとも大切な「その土地に来ているという実感」を私に与えてくれた。
最後にもちろん湯豆腐をいただいたのだが、これが余計なものをごちゃごちゃ入れない簡潔なもので、乗っているのはせいぜい菜っ葉二切れとと椎茸一切れ。あくまで豆腐を味わうものであって、素晴らしかった。これこそが湯豆腐だ。

さて初めて訪ねたこの日、17時の開店一番を狙って店へ向かった。五分前に店の前に着くと、既に暖簾が出ていて看板の明かりも灯っている。そこで戸を引いて中へ入った。当然先客はまだ一人もいないのだが、お一人様ですか、お一人様やったらいけますと言われた。
店が開いてほどなくすると次々と客がやって来てはカウンターを埋め、18時を待たずに一杯になった。予約をして来る常連が殆どなのだろう。私も次に京都へ行く機会があったなら、一人だろうがなんだろうが先ずこの店を予約して行こう。ここへは京都を訪ねる度に何度でも通いたい。



喜幸
075-351-7856
京都府京都市下京区西木屋町通四条下る船頭町202
17:00~22:00
月火休





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元日の行いが今年一年の行く末を暗示している。時にそのような気になるのはどうしてなのだろう。
酒呑み馬鹿のこの人生、今年も一年健康に沢山の酒を飲めることを願って止まないが、では去る元日の夜に何処でどのような酒を飲んだのか。これが自分でも意外なことに、何とサイゼリヤだった。むろん初めからサイゼリヤを目指して行ったわけではない。事の顛末はこうだ。

先ず、自宅の近くのスーパーが休みだった。そこで、新年だし久々に地元で居酒屋に入るのもよかろうと思い家を出た。となると選択肢は一つ、以前ここでも紹介した「力」である。安い大衆店でありながら、この店だけ肴の質が違う。ところが、ネット上の情報では年中無休が謳われていたのに、いざ店の前まで行ってみると無情にも休みだった。そこで近くに最近開店した上々の大衆酒場へ行ってみたが、こちらも休み。
こうなってしまうと残る手は二つしかない。一つは、自宅近くのスーパーは休みだが駅前のスーパーは元日から営業しているということ。だがこちらの店はものが良くない。それを知っていながら年初から、しかも翌日も休みでゆっくり飲めるという日に、わざわざ美味くないものをアテにはしたくなかった。
ここへ来て最後に残された一手がそう、「サイゼリヤ飲み」である。だが元日からサイゼリヤとはどうにも冴えない。逡巡しつつとりあえず店の前まで行ってみた。すると普段の盛況ぶりが嘘のように店内は空いていた。これで腹は決まった。

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元日からサイゼリヤ飲みなどどうにも冴えないとは言ったものの、久し振りにこれをやってみるとなかなかどうして悪くない。まず、私はビールや芋焼酎の味にはうるさいが、ワインは普段飲む習慣が全く無いものだから大して味の違いなど分からない。だからサイゼリヤの格安ワインでも満足出来てしまうのだ。これが大きい。
そして何といっても価格の安さである。食べ物はどれもお世辞にも美味いとは言えないが、決して不味くはない。それなりの味にまとまっていて、この価格ならばと思えばこれも十分満足出来てしまう。この日は非常に腹が減っていたこともあり、好き放題に飲み食いしたのだが、会計は驚くべき安さだった。

生ビールジョッキ
赤ワインデカンタ大(1リットル)
赤グラスワイン
白菜のピクルス
ほうれん草のソテー
クラムチャウダー
プロシュート
カルボナーラ

これで何と2,500円にも満たなかったのだ。そして思った。ワインの味に拘らない私にとって、サイゼリヤは良く出来た大衆酒場である、と。
とはいっても普段は女子供連れが煩くて店内の雰囲気は酒を飲むのに不向きなのだが、それはまあそれとして…





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実はこの間の活動から新しい戦力を投入していた。それが石鹸入れだ。
もう長いこと石鹸で頭髪を洗っているが、最近は液体の石鹸シャンプーも使うのをやめて固形の石鹸に切り換えた。石鹸で頭髪を洗うことによって様々な利点があるが、ずっと続けなければ意味がない。ところが、活動でビジネスホテルなどに外泊した際に現地に用意されている合成シャンプーを使わなければならないというのが懸案だった。汽車旅に液体のシャンプーの容器を持って行くのは何かと大仰だが、それよりもずっと軽くて小さい石鹸ならば携行出来る。そうすればこの問題が解決される。

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旅に携行する石鹸入れならば、水気が漏れないように密封できる物でなくてはならない。マーナの石鹸ケースがその条件を満たしてくれる。シリコンのバンドでしっかりと蓋を固定できるし、中に水切りも付いている。五百円弱と石鹸入れにしては安くない値段だが、それだけの金額を出す価値はある。蓋とバンドは取り外せるので、自宅では石鹸置きとして使えるのもよい。





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祇園にある大衆店と聞いて、素晴らしく雰囲気ある佇まいと非の打ち所のない料理を四、五千円で味わえてしまう店、と勝手な想像を巡らせていた。だが実態は大きく違っていて、本当の格の低い大衆酒場だった。
この店の名誉のために言っておくが、私が勝手に期待をして勝手に落胆しただけである。そして自身こういう店をこよなく好む者である。その上で言うが、酒については特筆すべきことはなく、肴は玉石混交という印象を受けた。ようは当たりと外れがあるということだ。このあたり福岡の酒一番に通ずるところがある。茄子田楽はまるで大したことなかったが、最後にいただいた出汁巻きはよかった。上品で微かに甘い味わいはいかにも京都らしく、着色されていない紅生姜が添えられているのもよかった。しかも一皿400円という安さである。

あとはこの店の立地が実によい。人と人がすれ違うのも大変なくらいの細い小路にあるのだが、そんな小路が薄汚い裏手というのではなく、きれいで品があるところが京都ならではである。八坂神社もすぐ近くの四条通からも直接そんな小路が無数に分かれているのだから、ここを訪ねるだけでも京都へ来たことを実感出来るだろう。
先発には薦められないが、京都で二軒目か三軒目、あと少しだけ飲み足りないという時にこういう店を知っておくのも重宝だと思った。



山口大亭東店
075-561-4158
京都府京都市東山区祇園町北側286
17:00~22:00
日休





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野菜を主体にしながらもご飯のおかずになるもの第二弾として、茄子味噌炒めを選んだ。また、前々回は安さにばかり拘ってしまったが、今回は温泉卵も付けた。

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めし並 120円
豚汁 160円
茄子味噌炒め 150円
温泉卵 100円
計 530円

ところがこの茄子味噌炒め、辛いばかりでピーマンや玉葱の青臭さが目立ち、いまひとつだった。そこで後半は温泉卵の黄身を少し加えて食べてみたら、少しはマシになった。
さて、これで一通りの組み合わせは食べ尽くした感がある。次回はカレーや麺などの変化球にいってみようかと思っている。若い頃は仲間内で「めしは中、かけもの禁止」という謎の掟があったが、それはまあそれとして…





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