日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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日本一周の道中に初めて訪ねて以来、二年振り二度目の訪問となったわけですが、記憶の上をいく名店でした。品書きは壁に貼られるのみで、カウンターの上には必要最小限の調味料が置かれるだけというのがまず好印象。居酒屋のカウンターは何も置かれていないのが理想です。その品書きに季節のものを探すと、目に留まったのがしめ鯵です。しめ鯖は何度も食べたことがありますが、しめ鯵というのは初めてです。しめ加減は最低限で酢がきつくない絶妙の味わいで、薬味との取り合わせも最高です。大ぶりなカボスが添えられてくるのが特徴で、これをたっぷり絞っていただきます。単に美味というだけでなく、季節感と郷土色も感じられる逸品です。
それから前回もいただいたとりもつです。冷製であるところが当店流の特徴ですが、一切の臭みはなく、味わい、食感ともに文句なし。緑色の皿に見える程にたっぷりの葱に覆われ、その上に少量の柚子胡椒があしらわれています。葱と同じ色なので箸をつけるまでそうとは気付かないという仕掛けで、遊び心やよしです。どちらも一人分に適した少量を安価に出してくれるところも嬉しく、硝子の丸い器に盛ってくるところも趣味が良いです。
居酒屋仕事の粋というものを久し振りに感じました。これはつまり、残念ながら福岡では粋を感じる居酒屋に未だ一軒も出会っていないということでもあります。別府の町を歩いて、他にはない独特の華や生半の観光地とは格が違うところを感じたわけですが、このような洗練された老舗の居酒屋があるという事実が、そのことをより雄弁に物語ります。

ここまでは文句なしだったのですが、一つ残念なことがありました。前回来た時も同じだったのですが、接客にあたっているのは皆留学生と思しき外国人の若者です。彼等の仕事がおざなりなのです。
私が暖簾をくぐった時、火を使った料理は七時半まで、と告げられました。やれやれ、この店までもが無意味な短縮要請の被害者かと思いましたが、客の側は従うことしができません。ところが暫くするうちに、七時半までではなく七時半からだということが分かってきました。何らかの理由で女将が遅れて来るので、それまで火は使えない様子でした。
これだけならば、まだ日本語の習熟度が低いのだろうと温かい目で見てやれます。ところが次にやって来た家族連れには、ただ「料理は七時半から」とだけ伝えたのです。まだ一時間以上あり、それを聞いてその家族連れは即座に立ち去って行きました。私のような道楽者はともかく、その家族連れは初めて別府にやって来て、そして楽しみにここにやって来たのかも知れないと思うと不憫でなりません。さらにその次にやって来た年配の二人組には何も伝えないまま中に招き入れました。何も伝えられないものだから彼等は揚げ物や焼き物も注文していました。暫く経って、それらが一向に運ばれてこないことを疑問に思って店員を呼び止め、そこで初めて七時半にならないと調理できないことを告げられて憮然としていました。このいい加減で一貫性のない仕事は、日本語がどうのという以前の問題です。
私も当店名物のかも吸いをいただくことはできませんでした。この日はしめ鯵ととりもつだけで十分に老舗の仕事を堪能させてもらったし、腹具合からしてもかも吸いが食べられなくとも不満はありませんでした。しかしここまでの料理を出しているのならば、店員教育の方ももう少しきちんとやって欲しいものです。

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