日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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これまで繰り返し述べてきたように、仕事に生き甲斐を感じたり熱意を持って取り組む人間ではありません。仕事とは金を貰うための手段に過ぎず、仕方なくやるものです。私が日々の仕事に求めるのは何事もなく無事に終わること、そして一分でも早く帰ること、それ以外にはありません。これは変化を嫌い、安定こそを大切にするということです。まさに旅と正反対。旅において新味がないのは困ったものですが、仕事に新味など全く必要なく、新しい事は敵だとすら言えます。
然るにその安定が入社してから一年も経って漸く訪れました。過去の経験からして、新しい仕事を始めて三ヶ月もすれば完全な安定を迎えられると思っていたのに、こうも遅くなるとは思いませんでした。入社して初めの二ヶ月は配送ではなくまさかの内勤。本来の配送に移ってからは、仕事の余りの難しさ、それが故に慣れていないと果てしなく時間がかかることに何度も挫けそうになりました。どうにかそれを乗り越えて漸く少しは慣れてきたかと思えば、尻拭いといがみ合い、苛立ちと溜め息が渦巻く暗く不健全な職場であることが徐々に見えてきました。
ほとほと嫌気が差して内勤に逆戻りしたかと思えば、軽い配送を兼務する特殊な形態で続けることになりました。軽い地区とはいえ配送業務は覚えることが山ほどあります。一件一件の場所、納品の仕方、その他細かい注意事項など。そして全ての取引き先が毎日注文してくるわけではありません。たとえば十件のうち全ての所へ行くか、それとも九件か、八件か。その時々で走る経路は変わり、無数の組み合わせがあると言っていいでしょう。これらが完璧に頭に入り、地図も覚書も一瞥もすることなく回れるようになるまで二ヶ月はかかります。その境地に達するかどうかというところで配送の兼務がなくなって内勤専任になったのだから、まさしく二転三転です。
しかも内勤とは名ばかり、夏場は有休取得や病欠者が多くその度に一日がかりの配送の代打に駆り出され、兼務よりも酷い状況になりました。これについては以前の記事でも嘆いたわけですが、今度こそは本当です。ほぼ同時期に入社した三人の新人が皆定着するという嬉しい誤算により、完全に配送からは外れました。繁忙期には急な応援に出ることはありそうですが、一つの地区を担当してそこを日々配送することは二度とありません。

内勤専任とはいっても、右も左も分からなかった最初の二ヶ月とは訳が違います。まだまだ全てではありませんが、会社の業務の全体の流れ及びその中での倉庫業務の位置付けが見えるようになりました。また倉庫業務の主体である荷揃え、品出しと密接な関係にある配送業務の担当者の気持ちや仕事の段取りも分かります。これらを踏まえて、前の日のうちから一日の仕事の流れや忙しさの程度が予想できるようになり、それを淡々とこなしていく。その安定期にここまでかかって漸く辿り着いたのです。
そして今日は入社して一年の記念日でもあります。だからこそこうして長々と綴ったわけですが、まさか一番好きで性に合っている配送の仕事を自ら辞して倉庫作業の内勤に就くことになるとは、一年前の今日想像もできませんでした。
別の配送の仕事に転職しようと思ったことも何度もありました。しかしやはり仕事は条件の良し悪しが全てであり、何をやるかは二の次です。完全週休二日の日勤。これだけでも有り難い好条件ですが、さらにはこの歳になって正社員での入社、通勤も至便。こんな仕事を手放したら二度と見付からないでしょう。そう考えれば配送ではなく倉庫作業というのも呑み込めます。巨大な倉庫の片隅で、漸く手にした安定の仕事を淡々とこなしていく。引退するまで心を無にしてこれを続けていく所存です。

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