無為是人生

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居酒屋探訪(其の二百三) ~湯島 シンスケ~ 

この店を訪ねたのは三度目か四度目のことだが、本ブログに登場するのは初めてである。そして前回訪ねたのは少なくとも十年以上前、久方ぶりの訪問となってしまった。
教祖こと太田和彦氏をして「生涯最後の居酒屋一軒と言われたら私はここの暖簾をくぐる」と言わしめた希代の名店である。

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この店はまず立地が素晴らしい。御徒町の駅から西へ向かって真っ直ぐ歩く。猥雑な喧騒に包まれていて、人が多い割に歩道が狭くて歩きづらく、実に煩わしい。ところが暫く進むとそんな喧騒がはたと途切れ、人通りもまばらに静かになる。湯島天神へと上る坂道が始まる辺りである。そんな天神様の御座す丘を背にするようにしてシンスケはある。
松本の「しづか」、池袋の「千登利」、博多の「やす」のように、立地や周辺の環境がその店の価値、或いは妙味の欠かせない要素となっている居酒屋が時としてあることを、過去にも触れてきた。このシンスケもそんな店の一つと言える。
黒壁に格子、縄暖簾に酒林、白地に黒文字で屋号を抜いた行灯。余計な物が無く小ざっぱりとしていて、実に端正である。そして端正なのは外見だけでなく店の中も同様で、いや姿だけではなく、この店の姿勢、あり方に至るまで全てが端正という言葉で言い表せる気がする。特に一階は良い。

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真っ直ぐなカウンター、整然と並ぶ白徳利、その上の品書きのビラは半紙に黒文字で書かれる。余計な物が何も無く、余計な色彩も一切無い。だからこそ料理の色彩が際立つ。酒の香りが鮮明に味わえる。そんな肴は華美なところや強い味付けなど一切無く、あくまで上品で穏やか。それでいながら力強く文句のつけようのない美味で、まさしく本物の仕事である。酒は屋号も所々かすれている、使い込まれながらもきれいに磨かれた白磁の徳利に注がれ、絶妙の燗具合で供される。
そして客層も素晴らしい。皆が楽しそうに歓談しているが、声を張る者は誰もいない。何から何まで端正だと言ったが、それはこの店内の雰囲気も含めてのことだ。どんなに美味い酒肴を出しても、きれいな店内を調えても、こればかりは五年や十年で出来上がるものではない。この空間、そしてこの空間に居ること自体に大きな価値がある。
酒肴の質だけを追求するなら産地へ行くのが一番だ。それでもやはり居酒屋は東京にあり。以前人形町の「笹新」を訪ねた時にこんな事を書いた。そしてこのシンスケでもまったく同じことをしみじみと実感したのだった。



シンスケ
03-3832-0469
東京都文京区湯島3-31-5
[月~金]17:00~21:30(L.O)、[土]~20:30(L.O)
日祝休





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カテゴリ: 居酒屋探訪

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