
ひょんなことから普段全く走らない地域を走ることになりました。しかも昼時です。そこで行く手に現れたのが井手ちゃんぽんでした。馴染みのない土地だからこそもう少し進めば食べたことのない店に入れる期待もあったわけですが、赤い巨大な看板を見た途端吸い込まれるように、気付けば駐車場に車を停めていました。とはいえ、過日二度訪ねた新宮店とは大分趣が違いました。まず目を引くのは、看板に書かれた武雄北方の文字です。その看板は年季が入っていて味わいがあります。
がらんと広い店内に入ると、品書きには唐揚げ丼がありません。ここが新宮店との最大の違いでした。ただこれを残念に思ったわけではありません。意表を突く酸っぱい味わいの個性、良心的な値付けに気前の良い盛り、ちゃんぽんとの取り合わせの素晴らしさなど、確かに唐揚げ丼の存在感は抜群です。しかしそれ自体はとても美味というわけでもありません。それよりもこの日はとにかくちゃんぽんを沢山食べたかった。麺大盛りを注文しました。

厨房で調理をする様がよく見えるのがカウンター席の美点ですが、実に凝った行程で当店のちゃんぽんは作られていました。麺の上に炒めたての野菜が盛られ、完成したかに見えたのですが、丼を傾けて一度汁が切られ鍋に戻されるのです。そこで野菜や油の旨味がスープと合わさり、それを再び丼に注いでいました。
これを見せられたらどうしたって期待が高まりますが、それを全く裏切らないものでした。本当に美味いちゃんぽんです。単に味覚が満たされる、食欲が満たされるだけでなく、この店のちゃんぽんをかき込むと高揚感、幸福感が得られるのです。改めて一度は武雄の本店に足を運んでみたくなりました。

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