無為是人生

職場に出入りの弁当屋について、何度か話題に取り上げてきました。今時450円とは有り難いを通り越して心配になってくること、味はまあ悪くないが色味に乏しく見た目がいまひとつであること、栄養バランスやカロリーなどがきちんと計算されているであろうことなどを特徴として挙げました。ここに突然の好敵手が現れました。先日飛び込みで別の弁当屋が売りに来たのです。早速買ってみました。
職場があるのは大型の工場や倉庫が建ち並ぶ一帯です。つまり現場労働者が沢山いるということであり、一方で飲食店は殆どなくコンビニがあるくらい。弁当屋にとってはまさに良い稼ぎの場なのです。また先日、同僚の中にはわざわざコンビニまで行って食べるものを買ってくる人もいると言いました。これは掘り起こせる潜在的な需要が多くあるということに他なりません。これまで一軒の弁当屋しか出入りしていなかったのがむしろ不思議だったのです。


これまでの弁当屋が予め決まった一種類の弁当を持ってくるのに対して、新顔の方は十種類近い弁当をあれこれ用意していて、その中から選べるのが嬉しいです。この楽しさは沖縄の弁当屋に通じます。様々なおかずが詰まっていて野菜もしっかりあるのは同様。おかずの分量はかなり気前が良いです。値段は同じ450円、さらには無口な男が来るこれまでの店に対して快活な若い女性が売りに来るのだから、勝負あった感があります。
がしかし、完全に鞍替えしようとは思いません。新顔の方が味付けも濃い目だし、栄養バランスやカロリーまで計算されているようには見えないからです。いい歳をして毎日こういう弁当を食べるのもいかがなものか。これまでの弁当屋と新顔の弁当屋、交互に買うくらいが丁度いいでしょう。これまでの弁当屋との関係を切らさぬよう、そちらの弁当も最低でも週に一回は買うつもりです。何れにせよ選択肢が増えたのは喜ばしいことです。


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