日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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地区毎に飲み屋街の雰囲気が違い、それも含めて楽しめるのが福岡の居酒屋であることは何度も述べてきましたが、これまで最も縁が薄かったのが春吉です。理由は簡単で、地下鉄空港線の駅から遠く不便だからです。
しかし最近この地区の魅力に気付いてきました。何処も道が狭く、路地裏に個人経営の小さな店が無数に建ち並んでいるのです。実に絵になると共に、惹かれる店が多過ぎて困るくらいです。そんな春吉地区の攻略の第一手として、まずは気軽に入れそうな大衆的な店から攻めることにしました。

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ここも細い路地裏にありますが、中はそうとは思えないくらい広いです。完全な立ち飲みの店、とりかわの専門店です。当店の売りは何といっても三十分777円の飲み放題で、自分で注いで飲む方式になっていることです。下手な店員に注がせるより自分で注いだ方が良いわけで、目の前のタワーから好きなだけ自分で生ビールを注いで飲むのは至福のひとときです。
とりかわ以外の小皿もなかなかの充実ぶりで、ケースの中から自分で取り出してきていただきます。こう書くと会計は格安だったと思われそうですが、残念ながら四千円を超えてしまいました。もう三十分追加しただけなので、しこたま飲んだのに酒代は僅か1,554円です。思いの外値段が行ってしまったのは、とりかわが安くないからです。基本の塩、タレ、醤油味はそれぞれ三本で390円。その他に創作料理的な味付けのとりかわが沢山あるのですが、それらは三本480円でした。ではその値段に似合う程の美味かというと、そこそこでしかありません。
しかし自分で注げてこの安さの飲み放題はやはり代え難いものがあります。最初の三十分だけでとりかわを余り沢山食べず、生ビールを四、五杯飲んでさっと次の店へ移る。このような使い方をするなら素晴らしく魅力的な店になるかも知れません。

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福岡の中心であり九州一の繁華街が天神です。その天神の街が今、歴史の節目を迎えようとしています。核にあるのが天神ビッグバンと称される一帯の大規模な再開発です。

世界でも有数の便利な都市空港を擁し、交通の便がずば抜けているのが福岡の良いところですが、それは諸刃の剣でもありました。中心部に高いビルが建てられないのです。航空法の特例承認を獲得し、その規制が緩和されるというのが再開発の根底にあります。今後主なビルが次々と建て替えられ、中心には地上19階建てが出来上がる計画です。

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これは大きな施設が一旦閉じるということでもあります。昨日、44年間続いた天神ビブレが閉店しました。これは前日にその様子を撮影したものです。若者向けの服飾を中心とした複合ビル、私には何の縁も関心も無いので中までは入りませんでしたが、それはまあそれとして…

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近くにあるこちらも同じく創業44年、若い女性向けの店が集まる天神コアも来月末に閉店します。周辺の大型施設が、この二店に対し垂れ幕で感謝と惜別の言葉を送っています。都心界の絆が成せる業でしょう。都心界とは、将来天神地区を必ず都心に、との願いを込めて戦後間もない昭和23年に立ち上げられました。16の大型商業施設が加盟するもので、天神ビブレと天神コアもこれに参加していたのです。
この願いは実現し、天神は押しも押されもせぬ福岡の中心、煌びやかな都心になりました。さらに発展すべく生まれ変わる。そのために一旦商いを畳む。歴史は繰り返し、時代が一回りしたのです。その節目に臨んで、渡辺通を挟んでエールを送り合う。何とも粋な光景です。

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遅くなりましたが、改めて先日の活動を省みたいと思います。

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まず日程ですが、土日だったというのが唯一の難点でした。思わぬ幸運により連休が転がり込んできたわけだからそこまでの贅沢は言えませんが、これが平日の二日間だったら百点満点だったのに、と思うのが正直なところです。これによって初日の金曜日を小倉に充てるしかなく、その結果前回と同じ時計回りでの九州一周となってしまって新味に欠けました。さらに鹿児島では、天文館で開いている居酒屋がたったの一軒しかなく選択の余地もないという状況に陥りました。
次に天候ですが、これには恵まれませんでした。特に本活動の主題である宮崎を訪ねた中日はずっと本降りの雨で、青島に行くのもままならず、夜も居酒屋へ向かって歩くのに難儀しました。しかし今の季節に終日快晴だった元日の活動が出来過ぎだったとも言えます。

特急、新幹線の自由席の混雑状況について。初日の金曜日、小倉で飲んだ後1941発のソニック49号で別府まで移動しました。直前にホームに下りると長い列が出来ていて、小倉を出る時点では座れずデッキで立つ羽目に。しかし15分走って行橋に着いたところで多くの人が下車しました。通路側ではあるものの無事に着席できて、ひと眠りしたところで別府に着くという上々の展開でした。
翌日土曜の大分から宮崎までのにちりん5号、最終日の日曜の宮崎から鹿児島までのきりしま11号は自由席ががらがらに空いていて、快適な移動でした。最後の鹿児島から博多までのつばめ338号、まさに発車の直前に乗車したのですが、乗り込んだ二号車で一つだけ二席並んで空いているところがあり、そこに滑り込みました。一号車にもきっと同様の空席はあったでしょう。

宿について。初日に別府で泊まった宿は当たりでした。駅の目の前という極上の立地、系列の別館ではありますが温泉大浴場に入れて、充実した朝食が付いて四千円という安さです。建物は古いものですが部屋は効果的に改装されていて不足はありません。次に別府に泊まる機会があるなら候補の筆頭です。
一方で中日の宮崎は宿が混んでいて、何とかおさえられたのは一泊六千円の部屋でした。宮崎は宿代の相場が安く、日によっては四千円を切るビジネスホテルもあります。その宮崎で六千円もする部屋、想像通りの立派なものでした。広々とした部屋は何処もぴかぴかにきれいで、風呂とトイレが別々で、ゆったりした浴槽がありました。自分には過分でしたが、ぎりぎり許容の範囲内の金額でもありました。夕方と翌朝の二回風呂に湯を張って浸かれたこともあって納得しています。

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こんなところですが、今回の活動を通して今後の手掛かりを一つ得ました。終業後に博多駅に直行してすぐに移動すれば、九州の他の主要都市で夜を楽しめるということです。まず思い浮かんだのが長崎でした。博多1555発のかもめ27号に乗れば、ちょうど二時間で1755に長崎に着きます。市街地に投宿すれば、ひと風呂浴びて七時には居酒屋を訪ねられます。混み合う時間ではありますが、平日ならどうにでもなるでしょう。
翌日は島原鉄道や松浦鉄道の乗車を楽しむのもよし、昼過ぎまで長崎に滞在してから帰るのもよしです。最後は唐津で居酒屋を訪ねて締め括れるというわけです。ここでも旅名人の九州満喫きっぷが活躍してくれるでしょう。

早朝出勤の辛さや欠点にばかり初めは目が行っていました。しかし終業が早いことによって、このように一日だけの休みでも初日に地方で投宿し居酒屋を訪ねて楽しむことができます。次の活動は平日に長崎へ、というのが最有力です。

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宮崎での二軒目は、もう少しざっくばらんとして大衆的な酒場を探しました。時間は十分にあり、天気が良ければ飲み屋街を一通り歩き回りたいところでしたが、生憎の本降りの雨で手早く決めてしまいたい状況でした。そんな中で直感を頼りに飛び込んだのがこの店でした。結論を言うと、素晴らしい店と巡り合いました。

暖簾に謳われている通りのホルモン焼きの店です。カウンター席のみの小さな店で、それぞれの前に炭火と網が置かれています。とはいってもこれはあくまで保温と皿を兼ねたもので、ごく弱火になっています。ホルモン自体は主人が焼いてくれて、然る後に目の前の網に置かれるという方式です。女将に奨められるままに当店の三大人気であるホルモン、タン、レバーを注文しました。肉厚で柔らかく、分量も気前よくたっぷり。同時に注文したホルモン三種と玉葱が一緒にされてごった焼きで出て来ます。小皿に注がれた特製タレを付けて食べるのですが、これが絶品。全部をごった焼きにするとは下品なやり方とも言えますが、だからこその力強さと美味さがたまりません。
それぞれ一皿430円から550円という値段もたいへん良心的です。品書きにある270円のケズリかけとは一体何か気になって女将に訊ねると、鰹節ご飯のことだそうで。この店では締めに人気の一品らしく、隣りのスーツ姿の二人組も焼酎を飲みながらこれを食べていました。
これぞ健全な大衆酒場。宮崎らしさは特にないものの、この店のホルモン焼きの味が忘れられず再訪したくてうずうずしています。福岡にも同じような店が何処かにある筈。それを今探しているところです。

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今季からPayPayドームに改称される福岡ドームですが、先日ヤフオク!ドームの大看板が取り外されました。そして昨日見に行ったところ、新しい看板の「Pay」の部分だけが完成していました。目の密なシート越しで、肉眼でもやや判然としなかったので、写真では分かり辛いかも知れません。

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今のところ、まだ各所にヤフオク!ドームの文字が残っています。
改称自体は全く感心しませんが、野球場の近くに住みたい一心で家を決めた以上は、このように過渡期の記録を残しておくのも一興と思っています。

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福岡で「ウエスト」と並ぶ大手うどん屋チェーンが牧のうどんです。最近では北九州から進出してきた「資さんうどん」が一気に店舗を増やしていて、三つ巴の様相を呈しています。ウエストはこれまで何度も訪ねたことがあるのに、牧のうどんは一度もありませんでした。都心部に多く出店するウエストとは対照的に殆どの店舗が郊外にあるのがその理由です。
牧のうどんの本店の前を何度か通ったことはあるのですが、糸島の加布里にあり、気軽に食べに行ける距離ではありません。

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家から最寄りのホームセンターにバイクで行ったところ、すぐ近くに牧のうどんがあることが分かりました。イオンの中のフードコートとは何とも興醒めですが、早いところ一度牧のうどんを試してみたいという気持ちが勝りました。

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初めてなのでごぼ天うどんや肉うどんが思い浮かぶところですが、迷わず野菜かき揚げうどんにしました。理由は簡単で、とても美味なウエストのかき揚げと比較をしたかったからです。かき揚げだけでなく色々な点で好対照でした。
まずそのかき揚げですが、これは残念ながらウエストの完勝でした。味、食感、食べ応えどれも勝負になりません。一方で牧のうどんは出汁が素晴らしく美味く、こちらはウエストを大いに凌ぎます。しかし最大の特徴はやはり麺です。コシのない福岡のうどんのこれぞ筆頭と言えるでしょう。生粋の福岡人をして「うどんは飲み物」と言わしめるのも納得がいきます。噛む余地など無いのです。

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そして当店ならではのものに、小さなやかんに入った出汁があります。ただでさえ柔らかいうどんが出汁をどんどん吸ってより太く柔らかくなっていくのです。そこで出汁を追加しながら食べるというわけです。皆が傍らにこのやかんを置いてうどんをすする光景は、一つの福岡名物と言っても過言ではないでしょう。

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教祖の古い推奨店であるこの店、今回宮崎を訪ねるにあたって唯一の頼りでもありました。ただし初めて訪ねた三年前とは様変わりしていました。以前は宮崎駅北方のガード下で仮店舗とも言えるような安普請で営業していたのですが、もう少し繁華街に近い所に移転、建物も一新して席数もぐっと増え、より本格化して再始動していたのです。しかし中身の良さは変わっていませんでした。

地鶏を専門に扱う店です。刺身、たたき、焼きどれも素晴らしい味わいで、決して安くはないものの健全な居酒屋価格です。また、宮崎の焼酎は全てあるのではないかという膨大な品揃えながら、鹿児島の焼酎を置いていないところにも矜持を感じます。その焼酎は実に良心的な価格です。
公式HPの予約フォームを活用して予約をして行ったことは既報の通りですが、通されたのは長いカウンター席の奥から二番目の席でした。これは他に独酌の予約客がいることを意味しています。私より数分遅れて、最初の生ビールの一杯を飲み干す頃に当人が現れました。店の人とのやり取りから、すぐに熱心な常連と分かりました。他にも予約なしの一人客がやって来ました。これは期待が持てます。
これもカウンター席がとても長いからこそです。独酌には有り難い造りです。一方で明るく現代的な店内は女性客を当て込んでいることが瞭然で、客層はそんな店の目論見が当たったことを物語っています。飲み屋というよりはカフェにいるような感じで、酒肴にうるさい中年男が一人じっくりとこれらを味わうには、必ずしも似合った雰囲気ではありません。しかし実を取るならここを超える店を探すのはたいへん難しいことです。宮崎に行くならばまずこの店を訪ねれば間違いがないでしょう。

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先日の二日半の活動から帰宅して、一つ驚いたことがありました。木曜日の夕方に洗って部屋の中に干しておいた洗濯物が、まだ乾いていなかったのです。九割方は乾いていたのですが、僅かに湿っぽい。いくら部屋の中とはいえ、72時間以上が経過しているというのにまさかの展開でした。
連日天気が悪くて湿度が高かったのも原因の一つでしょうが、それだけでは説明がつきません。何故こんな事になっているのか考えてみました。恐らく、単なる部屋干しでなくずっと不在にしていたことが原因ではないかと感じました。つまり部屋の中の空気が全く動いていなかったのです。朝起きて窓を開けて換気することもなかったし、部屋の中を人間が動いて空気が少し動くだけでもきっと乾燥を促すのでしょう。新しい発見でした。

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自力で偶然に見付けたたいへんな名店。自身の中で「武蔵」と並び立つ存在ですが、そのような店が二軒もあるのは全国でも小倉だけ。贅沢な話です。これまで訪ねてきた数多のおでん屋の中で、ここに匹敵する店が果たしてあるでしょうか。

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初めてこの店に入った時、おでんが素晴らしく美味いであろうと、箸を付ける前から確信しました。盛況で回転も早く、さらにおでん舟に付きっ切りで世話をしているので、どのネタも煮加減が完璧なのです。当店名物の春菊などは、提供されるまでの一部始終を見ているだけで肴になります。注文が入ってから舟に入れ、湯がく程度の短時間でさっと引き上げられます。間髪を容れず皿に乗せられて目の前に出されるのです。一方で長い時間煮込んだ方が美味いネタも、その加減は絶妙です。
今回、隣客の老夫婦が食べていた胡麻鯖が目に留まりました。前回はおでん屋に来てまで胡麻鯖もなかろうと気にもかけなかったのですが、これも一目見て美味と確信できるものです。すぐさま注文したのですが、素晴らしいものでした。

間口が狭く奥に長く、舟を囲む細長いカウンター。このような形の店が二つ並び、中で繋がっている独特の造りをしています。例えて言うなら双胴船のようです。居酒屋というのは窮屈では困りますが、がらんと広過ぎてもそれはそれで興醒めなものです。適度な緊密さが良い居心地の秘訣ですが、大太鼓はこの造りのお陰で絶妙の居心地が出来上がっているのです。
魚介もおでんも素晴らしい美味、素早い提供、良い雰囲気、良心的な価格。武蔵と並んでいつも盛況なのも宜なるかな。福岡にもこんなおでん屋があれば嬉しいのですが、そのためには町全体の居酒屋文化がもう少し洗練されるのを待たねばならないのでしょう。

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五時ちょうどに暖簾をくぐると、長いカウンター席は既に数席が残るのみ。先客の御仁の間に滑り込みました。金曜日とはいえこの時間にこれですから、変わらず盛況です。右も左も独酌で、福岡ではまず見られない光景です。そしてこれだけの人数が飲んでいながら、店内は実に静かです。福岡から在来線の快速列車で一時間ちょっとで着く小倉ですが、この雰囲気は福岡の居酒屋とはまるで異質で、東京とよく似ています。
かつて江戸は世界一人口の多い都市であるとともに、独身者が非常に多い町でもありました。そこから居酒屋文化、独酌文化が生まれ今に至るわけですが、北九州もまた石炭と鉄鋼の労働者の町でした。昼夜を問わず仕事終わりに一杯ひっかける男達が町に溢れていたのです。東京と居酒屋の佇まいが似ているのも必然と言えるでしょう。角打ちや朝から飲める店が多いのも北九州ならではです。

武蔵はそんな北九州の酒呑み文化が色濃く反映されています。しかし良いのは雰囲気だけではありません。安くて美味く、提供も速い。非の打ち所がない店とはこのことです。
壁に掲げられた長く変わらない品書きの他に、季節毎に変わる数種のおすすめのビラがあるのですが、今回目を引いたのはもつ煮でした。以前からあって気付かないだけだったのか、それとも新商品なのか分かりませんが、とにかく即決で注文しました。関東でもつ煮といえば味噌味のもつのごった煮に白葱の輪切りが乗るのが一般的ですが、こちらのもつ煮はまるで違う料理でした。甘めの醤油味の澄んだ出汁に白もつ、その上にたっぷりのキャベツと韮、唐辛子が乗るというもので、ミニもつ鍋と形容すべきものでした。もつは肉厚で柔らかく弾力がある妙なる食感で、適度に脂の落ちた脂身の甘味も秀逸です。これが四百円で食べられるとは。
小倉の町の移り変わりを見届けてきた老舗は、夏に創業六十七年を迎えます。この先も末永く変わらぬ姿で迎えて欲しいと願っています。

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